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左京さんありがとうございます!!ヒャッハー!!もっと早く聞いてたら……!!!



カチリ。
小さな音と共に唇を押さえた義兄へ李は茶碗から顔を上げて尋ねた。
「どうしたの」
「くちびるをかんら」
唇を噛んだ、一八は李にそう答える。
よほど強く噛んだのだろう、目には涙が溜まってる。

「見せて」
李が箸と茶碗を置いて覗き込むと、一八はそっと押さえていた手を離す。
李は恐る恐る唇へ触れた。熱い唇だった、李の指が冷たいだけかもしれない。
一八の唇は赤い、ひくひくうごめく舌も赤い、更に血はもっと赤い。
下唇の中央から右に少しずれたところに、小さな穴が開いている。
傷ではなく穴で、ぽたりと溢れた血が滴った。一八のシャツに滴る寸前、李が手のひらで受け止める。
「ろうなってる」
一八が唇を開いたまま尋ねる、
「義兄様、これどうしたの」
李が触れたのは傷ではなく、一八の歯だった。
八重歯、というよりも牙である。まだ切っ先は丸いものの、ヌッと伸びた牙である。
「これ?」
「牙があるよ、義兄様」
「―――」

一八はしばらく黙ってから、
「誰にも言うな、特に親父には」
そう言った。李はそんな事よりもその牙を好いたので、
「それなら、ちょっとそれ、なめてもいい」
一八の許しを得た李は唇を合わせてその傷の血を吸って後、舌でつるつると牙を舐めた。

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