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一八煎餅 の検索結果 約 189,000 件中 1 - 10 件目 (0.31 秒)
一八煎餅(青森県八戸市菓子店(せんべい))










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ある商店街の片隅に、一八煎餅という煎餅屋がありました。
店主の名前は三島一八、まだ若いもののどこか世荒みの見えるつめたい顔立ちの男でした。
彼の焼く煎餅は売れません、観光地の商店街という事もあって一見の客などがたまさかに訪れて煎餅を買うのですが、続きません。
いい米を使っているし、醤油も混じりけのないもの、いまどき炭をおこして手焼きで一枚一枚焼いています。
けれどもまったく売れないのです
というのも硬いからです。
一八の焼く煎餅は歯が折れそうなほど硬いのです。

観光客のひとりは歯の詰め物がとれましたし、
おばあさんは入れ歯を壊しました。
子供などは一八の煎餅で手裏剣遊びをします。
『崖から落としても割れない』
『火山に投げ込んでも割れない』
そうした噂が流れます。

「そんなに硬くせずともいいのではないか、売れないだろう」
ある時彼の義弟は言いました。いつも皮肉やからかいばかり口にする、薔薇のように美しく棘だらけの義弟にしては、珍しく本心からの気遣いでした。
けれど一八はフンと冷たく鼻を鳴らして、
「俺の煎餅が硬いなどという軟弱者は、食わなくていい」
そう背中を向けました。


もともと一八は全国に店を構える大店、三島煎餅の社長である三島平八の息子でした。
幼いころから徹底的に煎餅焼きのなんたるかを叩きこまれ、素材選びから炭の具合までこの若さで熟練の職人を見下ろすまでになりました。
しかし、一八の胸には熾き火と言うよりは加減の強すぎる業火が燃えていました。
というのも彼が五歳になるやいなや、平八は、煎餅の基本は水であると言い出して滝つぼへ突き落したのでした。
それ以来、一八は平八を強く恨んでいます。

彼が平八を恨むのと、彼の煎餅が非常に硬いのは深いつながりがまたあるのです。
「いちばんさいしょにできたの、おかあさんにあげるね!」
そう母に約束し、来る日も来る日も煎餅修行にはげみ、ようやくできた煎餅を母に差し出した日のことです。
母がよろこぶだろうと砂糖をまぶした煎餅を見るなり、平八は怒りました。
「三島の跡取りがこんなヤワな煎餅を作るとは!」
一八の煎餅は母の手に渡る寸前、平八の頑強な拳によってばらばらに打ち砕かれてしまいました。
一八は深く傷つき、また激しく憤り、それ以来誰にも砕かれぬよう、とても硬い煎餅ばかりを焼くようになったのです。



ある時、浮浪者のような身なりの男が一八の店の前へ流れ着きました。
夕暮れという事もあり、店じまいをしていた一八はその男へ一瞥をくれるも、気にした風もありません。
いつものように売れ残った煎餅を袋へ入れて、内心苦々しい思いに渦巻きながらもゴミにしようとした時です。
ぼろくずのような男がうめきました。
「いい匂いだ……腹減った……」
一瞬一八は動きを止めました。
気持ちの伝わりにくい薄い頬もゆらぎませんし、吊りあがった目もまばたきを一つするのみ。

「なぁそれ…くれよぉ…」
ぼろくず男が再びうめきました。
一八は犬に餌を与えるような事はしません。
けれど、なにかふとした気まぐれが男へ袋を投げ落とさせました。

ぼろくず男は逆さほうきのような髪の毛をばさりと言わせて飛び起き、袋から汚れた手で煎餅を一枚掴み出しました。
もう一八はすっかり興味を失って、背中を向けてさっさと店へ戻ってもいいはずです。普段ならそうしていました。
なのに、一八は男がいとおしげに煎餅をさするのを見守っています。
どうしてでしょうか。
男が熊のように大柄で、たくましかったからでしょうか。

一八が見守っているのをよそに、男は煎餅にかじりつきました。
ゴリッ
煎餅とは思えないような音が、一八の元にも聞こえてきます。
ふん、
少しばかり得意げな、けれどつまらなそうにも見える笑みを目もとにわずかに浮かべます。笑うと目もとがますます凍りつくようにつめたくなりました。

「硬っ」
ますます一八は笑います。
が、
「オリャッ」
男は一度自分の拳へ息をはきかけてから、煎餅へ打ちおろしました。
いく人もの人間たちがそうやって煎餅を砕こうとしたのですが、皆失敗しました。
逆に骨にひびをいれた人すらいたほどです。
それほど硬い煎餅はひどくかたくなで、誰にも傷つけられまいとする一八自身のようでもあります。

しかしその煎餅は、男の拳の中で真っ二つに割れてしまいまいた。
「あ」
思わずかたく引き結ばれていた唇がほどけます。


熊のような男が、一八を仰ぎみました。
一八はすこし青ざめて、けれど重荷が降りたような顔をしています。
口の中でゴリゴリバキバキと煎餅をかみ砕きながら、
「うまい」
男は感謝を述べました。








数ヵ月後、そこには煎餅のように表から裏からひっくりかえされる一八の姿が!
一八「私は彼という大海原に包まれた小舟のようでした」



たぶん一八様は2ぐらいの、人形みたいにきれいだった一八様です。
釣り目で下まぶたが切れあがった一八様です。
わたしの中ではあれは美人です。
寿司とテンプレおんなじだ
ポールかっこいいよポール
ポールだいすきポール


うーん微妙
ボツ

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